部屋探しの思い出

たまには長文を更新しようかなってことで、
数年前、学生寮を出て一人暮らしになるタイミングの部屋探しの話。
当時(と、その後日)書いた文章を発掘したのでコピペしてみる。
【家賃6万円以下専門店】を謳っていた目黒の某業者がひどかったよって話。
公開前提で書いたもののさすがに当時はどこにも公開しなかった文章ですが、
お互いもう時効でしょう。
見逃してなければ具体的な業者名は全部伏せましたし。
田舎者の小娘だと思って散々バカにしてくれました。(当時ハタチ過ぎ)

当時の希望条件
・1K
・家賃50000円程度
・1階である事
・都内である事(事務所がある某駅にアクセスが良ければ尚よし)
・ユニットバス等、水回りは狭くてもよい。居室重視。

かなり長いです。

――――――――――
 希望条件をきちんと伝えたにもかかわらず、
それとはまったく異なる…なんなら少しも掠ってない資料を
次々と印刷し、
「これも駄目だよねー○○だもんねー」を繰り返す。

1階希望なのに5階の部屋とか、「ちゃんと探す気ないでしょ」と思わせる
言ってしまえばまったく意味のないやり取りを数回繰り返し、ややげんなりしてきたところで
「とっておきがあるんだよ~」と、パソコンとは別の、引き出しから出したファイルに入っていた
川崎のマンション。そのマンションは人気で、1部屋を残してすべて埋まっているとのこと。
リフォーム直後で室内は超キレイ、1Kでバストイレ別、金銭的な募集条件もそこそこ。
しかし、居室がなんと5角形。(さすがに正五角形ではないが四角の一辺が一部へこんでいる)

…気づかないとでも思ったのかね…
客の意に添わない物件を何度も見せて、無意識にハードルが下がったところで
その客に勧めたいというよりもまず業者が契約を取りたいと思っている側面が大きい物件のいいところを全力で推す。
悪質業者の常套手段の典型をいきなりやられて、一気に内心警戒モード。

それでも、「一個見に行く?」と言われ、川崎のマンションを見に行くことにしました。
駅からの道をGoogleマップで何度も見せられ、蛍光ペンで印刷した地図に経路を書き込み、
「これあげるよ、分かりやすいように」
と言われた時点で嫌~な予感が…
案の定、「僕この後約束あるから行けないけど、話通しとくから」
・・・は?

まともな不動産業者でお部屋探しをしたことがある方なら皆さんお分かりでしょう、
物件の案内も不動産業者の仕事です。
客の希望条件に近い物件を探し、紹介・案内して、その結果成約した場合客から仲介手数料を受け取る。
な、はずなのに。

仕事してください…と思わなくもないけど、まぁ、アポ取ったのもお店に行く直前だったし、
今日は仕方ないのかな。と思うことにしました。
一人のほうが気兼ねなく周りウロウロできるしね。

で、電車の乗継は自分で調べて(1人で行けっていうならここも説明不足だよね)、
行ってきました。
この内見の一番強い感想は、「あの担当者大丈夫?(いろんな意味で)」。

まず、「話を通しておく」というからには、そのマンションに到着しさえすれば
誰かがいるものと思っていました。
見りゃあ大体わかるとしても、設備等の説明も含めて“内見”だし、
見せる側の視点から考えても、鍵を開けたまま放置し、客とはいえどこの誰とも知れぬ人間だけで中に入れて…
って、ド田舎だってそうやりませんよ。
なのに、それらしき人影は無し。
建物の入り口がそれと分かりにくいものだったので入り方が分からず聞いてみると、
「ちょっと待って、僕も調べてみる」把握してないんかい!
調べるって、ぐーぐるさんですか?ぐーぐるさんですね…はぁ
なんとか 自 力 で 部屋の前まで行っても、誰もいません。
いや、正確には、見せてもらう部屋の三つ隣の部屋が今まさにリフォーム中で
そこは人の出入りがありましたが。

とりあえず、電話が繋がったままだったので「(部屋の前に)着きました」と言うと
「鍵開いてるでしょ?」
おそるおそるドアノブを回すと、確かに開いています。
えー…まさかとは思ってたけど…マジですか

もう一度書きます。
この内見、担当者と電話が繋がっているだけで、不動産屋も大家さんも誰もついてません。
想像してください。
通常であれば施錠されているはずのマンションの空き部屋の前に
その辺りでは見かけない人間が1人、携帯電話を片手にやってきて
ドアノブを回し、扉を開け、今にも部屋に入ろうとしている…
はっきり言ってただの不審者です。

当然と言えば当然ですが、リフォーム中の部屋で作業をしていた一人の男性が声をかけてきました。
聞けば、ここの大家だというではありませんか!
なんとか内見だということを伝え、彼はどこかに確認の電話。
その間も携帯からは、担当者の「見終わったらまた電話してねー」というなんとも間延びした声が聞こえてきて、
イラッとした私は、「あの、話通ってるんですよね!?」と語気を強めました。
返ってきたのは「通ってるよ~鍵開いてるでしょぉ~?」
…開いてるけど。通ってないし!大家さん知らないっつってるし!ていうか、
そういえばこの物件“大家さん=管理会社”って話だったけど、じゃあ鍵開けたの誰だよ!?

結局、大家さんからいろいろ説明を受け、部屋のあちこちを測り、
「電話してねー」で切れたはずの担当者からどう?どう?綺麗でしょぉ~と電話があり、
あなたの代わりに大家さんがリフォーム立ち会い中断して案内してくださってますよ、とやんわりと伝えれば
「いい人でしょぉ~」
…イラッ
絶対。とか、一番。とか言われる度にどんどん心が離れるのを感じながら、内見を終え、帰り道。
歩きながら電話。

内装リフォーム直後とだけあってパッと見は綺麗でしたけど
間取りが使いにくそうだから家具を置けるかどうか持ち帰って検討しなきゃだし、
駅までの道以外も見ないと、私の中で周辺環境は部屋の綺麗さなんかよりもよほど重要な判断材料だし、
日が沈んでからの内見だったので昼間にも見にきて日当たりも確認したいし。と思っていると、
「そんなこと言ってたら他の人に決まっちゃうよ?気に入ったなら早く申し込まないと。契約書用意しとくから戻ってきてね」
そう、この人、こちらがちょっとでも意に沿わないことを言うと語尾が延びなくなるのです(笑)
ていうか別に気に入ったって言ってないんだけどね←


確かにいろいろ好条件ではあったのですが、前述したとおり
同じマンション・同じ階数で、その部屋だけが売れ残った理由というのもまたしっかりあるのです。
私は図面を見た時点で気づいていました。
その上で、実際測って大丈夫そうなら儲けもんだと思って、そのつもりで見に行きました。
大家さんからはきちんとそこに触れた説明がありました。
不動産屋の担当者だけが、“これ以上いい部屋はない。なぜなら綺麗だから”と。


頭では分かっていてもあまりに上から来られると断りきれず、
ポケットにレコーダーを仕込んで、半ば強制されたという内容の言質を一応取り、
どのみち検討はするつもりで申込書を書きました。
申し込みが入ると原則募集ストップだし、本当は決めきれていないこの段階で申し込むのはよくないこと。
大家さんには本当に申し訳ない事をしました。
とにかくそこまでの一連の流れで
まともな業者の「ちゃんと納得して決めてくださいね」ではなく、
あまりよくない業者によくある
「とりあえず押さえて、他にいいのがあったらキャンセルすれば…」ですらなく(これも駄目ですよ)
「(申し込みさえさせてしまえばなし崩し的にいけるだろう)なくなるよ~?(ニヤニヤ」
な臭いを感じたのです。



内見翌日の夜、担当者から電話がかかってきました。
「今何してた~?」て、友達か!
その時私は、一人出先で具合が悪くなってファミレスで休憩中でした。

(ちなみにその前日(内見の直前)
 「明日来れる?」
 「あ、明日は2時に高田馬場で用があるので、それまでなら」
 「デート?」
 「いや、ちょっと。病院関係で…」
 「僕馬場地元だよ~。…あの辺病院あったっけ…?ないよ…?デート!?」
 「…(ピキッ」
 てな やりとりがあったのですが…)

ファミレスにいたので、まぁガヤガヤしてるわけですよ。
「にぎやかだね~外?」「えぇ、まぁ」「デート?」
まだ引っ張るかソレ!!

で、何かと思えば
「今申し込んで審査中だから…」
うん、だろうね。昨日申込書書いたし
「管理会社から直接電話があると思うから…管理会社って言っても大家さんだけどね」
うん、昨日聞いた
「知らない番号からかかってくると思うけど出てあげてね~」
うん、そりゃそうだ。わかってる。
・・・で?

それだけでした。病み上がりにやめてくれよ…こっちの都合だけどさ



数日後、審査に通ったと担当者から嬉々として連絡があったのですが、
その数日の間に縮尺を作って家具の配置を検討した結果、どう頑張ってもまともにベッドが置けない。
もちろん普通のシングルベッド。
(五角形の部屋をアバウトに四角と見た場合の短辺二つは長さが足りない。
 片方の長辺はほぼ居室の入り口と物置の扉(外開き)。
 もう片方の長辺はベランダに出る窓と件の五角形を形作るへこみ)
ということで、お断りすることに。
するとこともあろうに
「部屋に合わせた家具にしなきゃあ。みんなそうやってるんだよ」
うそつけ。引っ越すたびに買い換えろってか。
ていうか、シングルベッドのサイズなんて大体一緒だ。

そりゃあ?1人暮らしのくせにダブルベッドで広々寝たい、3人掛けのソファが欲しい。
あれが欲しいこれが欲しい。大画面テレビに大きい本棚と両開きの冷蔵庫!
なぁんて言ってりゃあ「1Kでそれは無理だよ」と言いたくなるのもわかりますがね。
先にも書いた通りの、物件の(恐らく)最大の欠点を指摘しただけのこと。
(審査後のキャンセルで、大家さんには本当に申し訳ないです)

しかしなかなかに粘られたので、現実問題これ以上話していても仕方ないと思って、
ひとまず結論保留にして電話を切り、父親から話してもらうことに。
連帯保証人の件で1度話した時に「強いお父さんだね~」との評を頂いていたのでね、
示し合わせて、これこれこういうことを言ったらこんなことが返ってきたから、
私が断ったことは知らない体で、他のことは言わなくていいから私と全く同じこと同じように言ってくれ、と。
まぁぶっちゃければ、通話相手が小娘か初老男性か以外全く同じな状況で、
もう一度同じことを言えるもんなら言ってみろ と(笑)

はてさて、父親から電話したよと報告を受けた数分後、担当者から私の携帯にも電話がかかってきました。
曰く、「さっきお父さんと話して、別の物件探し直そうってことになったから。頑張ろうね~」
「なったから」じゃねーよ、引っ越すのは私だ。あんたの客は父じゃない。私だ。
…ここまで見事な手のひら返しはもういっそ爽快ですよね。
ちなみに父に聞くと、家具を部屋に合わせるという話は一切出なかったそうです。フザケンナ




さて、思いついたままに書いていたらとんでもない長文になりつつあるのでサクサク行きます

改めて来店予約を入れお店に行きました。
探し始めて数分。担当者の携帯に電話が。それは別に何とも思ってなかったけど、
電話を切った後「ごめんねぇ~? 今内見行っててこれから帰ってくるんだよ~」
またお客だけで行かせたのかこの人は!

それからしばらくして帰ってきたのは制服を着た女の子とそのご両親。
担当者は私のすぐ隣にその親子を座らせ、商談開始。
その間、まさか私が不動産屋のパソコンを見て探すわけにもいかないのでただ待ちぼうけ。
自分は何もすることがないし、すぐ隣で話されると聞く気がなくても聞こえてくるのです。
いろいろと。

「部屋にカーテンがついてたんですが、外しても大丈夫ですよね?」
「あー、カーテンありました? 大丈夫ですよ~。センス悪かったですか」
センスの問題じゃないでしょ…。
本来ならちゃんと担当である貴方が着いて行って、その場で説明をして、質問にも答えるべき。

そりゃ、そっちからすれば。1組の客を内見に行かせてる間に
店頭で別の客の部屋探しをして…って方が効率のいいやり方なのでしょうが、
きちんと仕事をしている業者ならありえないスケジューリング。
自分たちだけで内見に行かされたお客は疑問を疑問のまま持ち帰ることになり、
彼らが帰ってきて担当者がそちらの商談にかかりきりになってしまえば
その間部屋探しに来ている客はただ待ちぼうけることになり。
まぁ要するに何が言いたいかというと…
堂々とダブルブッキングしてんじゃねぇ!

お客様は神様です、って、本来客側が使う言葉じゃないけども、
いくら繁忙期だからって強気すぎやしませんかオニイサン?


その日出してもらったのは、数日後退去予定の、つまり入居中の物件。
内見したいなら退去待ってもいいけど、申し込まないと決まっちゃうよ~? と。
そんなに契約取りたいならもっと客を大事にしろよ…。
少なくとも、いくらそちらでもわからないことを聞かれたからって
「それ重要!?」って半ギレで聞き返すのは
やめたほうがいいと思いますよ?

その物件の賃貸条件の欄に“入居者サポート料”というのがありました。
もちろん聞きます。「入居者サポートってなんですか」と。
すると返ってきたのは、「なんかサポートしてくれるんじゃない?」というなんとも不透明なお返事。
その「なんか」を聞いてんだよ!…という言い方はしませんでしたが。
やんわりと、具体的なサポート内容の説明をしてほしい、そしてそれが強制なのか任意なのか、
安くないお金払うんだからきちんと説明してください。と言って、
管理会社に問い合わせてもらいました。

するとそのサービス内容は、「それ火災保険のカバー範囲じゃん」としか思えないもの。
何が違うのか聞くと、24時間対応
つまり、火災保険だけではカバーできない夜間のトラブルの為に、

決して安くない金額…もう書いてしまおうか、10,800円を別途払えと。
強制なのか任意なのかの返答は、最後までなかったように思います。


結局この日は、退去の翌日に内見をするという話にして帰りました。
内心は「今度も内見一人で行けって言われたらこの業者はやめておこう」と決めて。


――――――――

(後日追記分)

結局、内見当日になるまでもなくこの業者は断りました。
粘られるかと思ったら、拍子抜けなくらいあっさりと「あ、そうですか」

んで、先に決めていた断る決断ポイント前にお断りの連絡をした理由ですが…

引越しまでの期間も限られているので、退去を待ってる間から別の業者を当たり始めていました。
担当者に伝える希望条件は同じなので、出される物件が被ること自体ははよくあること。
事実、渡された資料をパラッと見ると、その中に何とも見覚えのある図面が。
よく見ると、紙面のレイアウトこそ違うものの、
間取り図・マンション名・部屋番号共に一致したので間違いなく件の“入居中の物件”。

「あぁ。ここね…」と思いながら賃貸条件の欄に目線を移すと、なんと条件が違うではないですか!

例の業者でもらった資料では、敷0礼1でした。
それ以外の独自の料金いろいろが不透明過ぎて目立たなかったけど、今時礼金て。と思ったことは覚えてます。
これだけゼロゼロ物件が多くなっている中、しかも敷金じゃなく礼金取ろうとかまた随分と強気だなぁと。
ところが、同じ物件のはずなのにこちらで出された条件は、敷0礼0フリーレント1ヶ月
つまり。初期費用が家賃2か月分違うのです。

地面すれっすれの低空飛行だった部屋まるの信頼度はこの瞬間完全に失墜し、お断りの電話をして
その別業者で内見(きちんと案内してもらえました)・その場で契約(当然納得して)と相成ったわけですが…。



さて、家賃2か月分となると、軽く6ケタに届く額になるわけですが。
その差額をこっそりせしめようとしたのか、
それとも別業者で提示された募集条件を、交渉して勝ち取ったものと嘘をついて「ボク仕事しました感」を出そうとしたのか。
まぁ前者は完全に横領なので後者の可能性が高いですが、どちらにせよ悪質極まりない
(第3の可能性として、本当にその数日の間に募集条件が変わったことも考えられますが、
 部屋の欠点を意図的に隠して強引に契約を取ろうとしたその姿勢からして、
 また大家という立場を実家で幼少期から長年見てきた身として、
 その可能性は限りなくゼロに近いと思ってます)



そして最後に。大事なことをひとつ。

そもそも、『家賃6万円以下専門店』という触れ込み…大嘘やんか!